琉球大学医学部附属病院 歯科口腔外科 は沖縄県内唯一の日本口腔外科学会認定研修施設です。

沖縄県の口腔癌・咽頭癌におけるHPV感染、ポリADPリボース活性

「沖縄県の口腔癌・咽頭癌におけるHPV感染、ポリADPリボース活性と予後との関連について」
平成27年9月2日 倫理審査承認 第841号
研究の概要:
本研究では琉球大学で検査や手術で摘出された口腔癌・咽頭癌の病理組織標本を用いてHuman papillomavirus (HPV)の感染と口腔癌の予後との関連について研究を行います。口腔癌・咽頭癌のHPV感染と予後に関する報告は多数ありますが、殆どの報告はHPVが感染している口腔癌・咽頭癌は感染していないものより、5年生存率、全生存率が良く、例え再発したとしても再発までの期間が長い等、全体的に予後の改善に関与する事が報告されています。HPVの感染が何故予後の改善に関わるかについても様々な検討が行われましたが、そのメカニズムはまだ解明されていません。
ところで私達は、マウスの胚線維芽細胞にHPV16のE6あるいはE7遺伝子を発現させるとE6遺伝子を発現させた時のみ、様々なストレス時に誘導されるPARPの活性が著しく亢進(ポリADPリボシル化)していることを明らかにしました。このE6発現によるポリADPリボシル化の亢進は、細胞の酸化ストレスと関連している事も見出しています。この事から私達は、HPVが感染した癌細胞はE6発現によってすでに酸化ストレスに曝露されており、化学療法や放射線療法はより強力な酸化ストレスを癌細胞に加えることで、細胞死を誘発するのではないかと考えました。今迄述べてきたようにHPVが感染している口腔癌・咽頭癌の予後が良い事が疫学的に明らかにされていますが、分子生物学的なメカニズムについては解明されていません。
  本研究では、沖縄県の口腔癌・咽頭癌症例のHPV感染と予後を調べ、さらに病理組織標本を用いてHPV16 E6の発現、ポリADPリボシル化,酸化ストレス等を検討します。これらの検討によりHPVが感染した口腔癌・咽頭癌の予後良好のメカニズムを明らかにしたいと考えています。私達の仮説が証明されれば、口腔癌・咽頭癌の治療戦略に重要な情報となるだけではなく、新たな治療法の開発にもつながる可能性があり、臨床的に有用な発見となる事が期待されます。
 
研究の目的・対象・方法などはこちらから御確認いただけます。

このページのTOPへ