琉球大学医学部附属病院 歯科口腔外科 は沖縄県内唯一の日本口腔外科学会認定研修施設です。

術前化学療法後に発現変動がみられる癌関連蛋白質の探索

術前化学療法後に発現変動がみられる癌関連蛋白質の探索(2016/12/7 承認)
           研究の概要
本研究では琉球大学歯科口腔外科で診療を受け摘出された舌癌の病理組織標本を用いて化学療法後に発現が変動する癌関連蛋白質について検討します。一般的に抗癌剤感受性は、腫瘍の分化度別に違いが出ることが明らかになっており、高分化型では低分化型と比較して効きが悪くなっています。高分化型腫瘍がなぜ、低分化型腫瘍と比較して抗癌剤耐性なのか様々な研究がなされていますが、まだその詳細なメカニズムに関しては明らかになっておりません。
私たちは、手術前に抗癌剤を低用量頻回投与する(メトロノーム化学療法)ことで、舌癌患者の生存率が有意に改善することを報告しています。この臨床研究の過程で高分化型腫瘍では、低中分化型腫瘍と比較して組織学的に腫瘍が消滅する割合が有意に少ないことを見出しています。一般的にこの感受性の違いは、腫瘍周囲の血管密度が低中分化型で高く、抗癌剤の到達量が低中分化型腫瘍ではより多くなっていることが原因であるとされています。抗癌剤の効きが悪かった腫瘍に対しては、むしろ癌の進展を促してしまう可能性が指摘されています。これらの事実から我々は、高分化型腫瘍においては、抗癌剤曝露依存的に癌の進展が促される経路が活性化されているのではないかと推測しております。高分化型腫瘍は、抗癌剤耐性であることは明らかになっておりますが、その分子メカニズムに関してはほとんど明らかになっておりません。
本研究では、化学療法前後の癌関連蛋白質の発現量を計測し、高分化型腫瘍において癌の進展に関与する経路が活性化されていないか検討します。この検討により抗癌剤の効きが悪い場合にどのような経路で癌の進展が促されるか明らかにすることを目指しています。我々の仮説が正しければ、抗癌剤曝露依存的な癌の進展経路を将来的に阻害できるような治療戦略を講じることが可能となります。
 
研究責任者の職名、氏名
教授 新崎 章
 
研究の方法
本研究で用いる病理組織標本は、外科切除後に診断に用いた組織の残りの部分です。
したがって、患者さんが、これまでに受けた治療や診断には一切影響を与えません。
この病理組織標本を用いて、癌関連蛋白質の発現量を調べます。このように琉球大
学附属病院ですでに保管されている組織を用いますので、患者さんに新たに生検を
行ったり、血液検査を行うなどの苦痛を伴う依頼は一切行いません。
    
個人情報の利用目的の通知、個人情報の取り扱い方法
使用する病理組織に関しては、診療録より対象患者であるか情報を集めますが患者
さんの個人名はわからないようにします。得られた情報は、責任者の新崎章が責任
をもって匿名化し、情報が院外に出ないように管理します。また、患者様からのご
希望があれば、その方から得られた組織は研究に用いないようにします。
 
研究対象等及び関係者からの相談への対応に関する情報
〒903−0215 沖縄県中頭郡西原町字上原207番地
琉球大学大学院医学研究科顎顔面口腔機能再建学講座 新崎 章

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